BOMBの86年7月号の、1ページ目です。
現代は、南沙織が女性アイドル歌手の第一号と言われていますが、86年当時には、
そんな印象はなかったです。80年代アイドル全盛期であり、70年代のアイドルで、
当時、振り返られていたアイドルは、山口百恵だけだった印象があります。
そんな中、南沙織の歌を、新しい歌として新鮮に聞いていたナンノは、
現代、70〜80年代アイドルを振り返る若者の、先駆者的存在です。
コンサートで、あがらないために、他の人の歌を歌ったり、上記のような
アイドルの曲に対する、先入観のない新鮮な感覚が、ナンノを、
他のアイドルへの造詣が深いアイドルへと、進化させたのでしょう。
クリス松村も、ナンノの他のアイドルへの造詣の深さに、ビックリしていました。
スタッフもナンノも、カーペンターズのような歌を歌って行きたいと言っていますが、
実際、その通りになったと思います。カーペンターズは、私が最初に聞いていた洋楽であり、
その洗練されたアレンジや多重録音された歌声が好きでしたが、当時の洋楽志向の人間は、
ロックに傾倒していた人が多かったので、カーペンターズを馬鹿にしていました。
覚えやすいメロディラインや、アップテンポの曲とスローテンポの曲の絶妙なバランス、
凝ったアレンジは、その後のナンノの曲と共通しています。
南沙織も、曲のバリエーションが豊富だったので、ナンノが、この頃、
南沙織を聞きまくっていた事も、その後のナンノの曲作りに、好影響を与えたのでしょう。